※くねともに参加させて頂いた.



くねともとは※横田くねくね氏が行っている,毎回異なるメンバーで1日限りのセッション動画を撮りYoutubeに上げる事を主とした企画である.(多分)
2017年現在,インターネット上において最強のアカペラコンテンツと言えるだろう.

過去の参加者のJぺい氏が感想をBlogに書いているのでこちらも併せて読んで頂くと,より分かりやすいだろう.
※くねくね先輩とのアカペラに緊張した理由


で,だ.

私は挫折した.

目次
①くねとも的ハーモニーにおける挫折
②センスにおける挫折
くねともに出る事が目標の若者へ
余談
くねともにぬ。が参加する意義とは?
⑤こっそり
⑥ぬ。が選ぶ聴きどころ5選

①くねとも的ハーモニーにおける挫折

毎回違うメンバーで行っているのになぜ「くねとも的」などというハーモニーが存在するのか?

まず第1に,多くの動画が部屋やスタジオでの生音をAirで録音している点が根拠として挙げられる.
これは動画を観ればすぐ分かる事.

また,多くの楽譜をくねくね氏が担当しているというのも1つだろう.

そして私が見出した最大の理由は
くねくね氏がハーモニーの核として存在している.
という事だ.

「そんなの当たり前の介」と言われるかもしれないが,,,
私は,実際に声を合わせる事で,強くその印象を得た.

くねくね氏のコーラス発声は細かいビブラートが深くかかっており,幅をもったピッチ感であると言える.
リードを邪魔しない,聴きやすく心地の良い,音の外れ感を与えない.
その上でコーラス全体の調和を促す.

確かに,

これはコンテンポラリーなポップスアカペラにおける1つの正解と言っても過言ではないハーモニーの作り方である.
そう痛感させられた.

一方私のコーラス発声は非常に真っ直ぐで,ピッチ感が非常に明瞭でハーモニーが成立しにくいと言える.

この差に気づかされたのは,くねくね氏が楽譜と共に提供してくださった音取り用全部俺音源に合わせて歌った時だ. 
「この全部俺のハーモニーに溶ける事ができれば当日一発でハモる」
という事を理解すると同時に,
「私には無理だ」
と悟った.

私はこの1つの正解からは,かけ離れたところに進んできてしまっていた事に気付かされた.

コーラス発声で挫折した.

如何にBOJという形で認められようが,やはり私の歌が高水準で通用するのはたむらまろの様な非常に限られた領域であり---正道的アカペラーの中ではあくまでそこそこという事だ.


②センスにおける挫折

兼ねてから分かっていた事だが,やはり私のセンスはダサい.

初期ハモネプによって培われ,その後の人生でほぼ高められる事の無かった私のセンス.

具体的には
・コーラスのシラブルの歌い方がダサい.
・強弱のつけ方が露骨過ぎてダサい. 
・リズム感が無く,動きがダサい

何よりの問題は,これらのダサさをある程度良しとしているという事である.(カッコよく動ける様にはなりたいけれど…)
「ポップスのアカペラ,ちょっとダサいくらいが丁度良い」くらいの気持ちなのだ. 
そもそも楽器を使えばいいのにわざわざ声でやっているというのが既に「オモシロ」って感じなので,「オモシロな事やってるでしょ?えへへ」くらいが丁度良いという認識なのだ. 

という訳で,
センスで挫折した.


●ひとまず結論として

くねともサウンドは,現状の日本のポピュラーアカペラの1つの正解と言えるだろう. 少なくとも私はそう思っている.

そして私の培ってきたアカペラ力(りょく)は,様々な意味でそこそこ止まりである事がくねともを通じて明確となった.
今まで偉そうに審査員など引き受けきたが,やはり私の価値観や実力は大きくメインストリームから外れており,大手を振って偉そうにはとてもできない.とも思った. 
私が審査する事で,メインストリームから外れよう外れようという影響を与える事ができるという側面もある.


③くねともに出る事が目標の若者へ

どうやら,既にくねとも出演を目標とする若者がいるらしい.
私程度の実力(こと,コンテンポラリーアカペラという範疇においては)が出演してしまって大変申し訳ない等と思いつつ,せめてもの償いとしてそんな若者達へメッセージを送りたい.

くねともは大会やイベント等と異なり,明確な審査などが存在する訳では無いため,努力と実力のみによる到達は困難な目標だ.
結果として私が出させて頂けたのも,BOJを取ったからでは無く,Blogを読んで頂いて人間として興味を持って頂いた事からの流れだ.(故にそもそも歌い手として呼ばれてない.挫折も当然か)

でだ.
くねともに出演したい若者よ,
ある程度コンテンポラリーアカペラを歌える実力があるのであれば,
私に連絡してくれ.
私が勝手に審査して,オッケーだと思ったら勝手にくねくね氏に推薦させて頂くので.

くねくね氏は気持ちも重要だと仰っていたので,間違いなく出演できるだろう(圧力).

しかし,「くねともに出たい」の意味が「くねくね氏に何かしらのところで主体的なアプローチ無しで認められたい」の人は,余り助けにならないお話だ.


因みに現状の分析だと,たむらまろを目指した先にはくねともは無いので,気を付けて欲しい.(不要なアドバイス)

余談
くねともにぬ。が参加する意義とは?

不相応な実力で参加させて頂く身にも関わらず"意義"とか偉そうに言ってイラっとくる方がいらっしゃったら申し訳ない.

①で述べたコーラス発声,②で述べたセンスを兼ね備えたくねくね氏は圧倒的アカペラ成立力を持っている. 
そして,くねともに真っ当に参加するというのはこのくねくね氏の方向性に寄り添っていく事である. 
嫌な言い方をすれば,くねくね氏の全部俺音源をモノマネしていけば,ベターだと言えるだろう. 

嫌な言い方をすれば,私は正直,モノマネに徹する事を面白いとは思えず,やはり異なるメンバーで集って歌うのであれば,各々の個性をぶつけ合った先のアカペラを目指したい等と思ったし, 
私が参加する意味が無い,幾らでも上位互換がいる.等と思った. 
しかし,現実問題セッション的にアカペラを成立させるためには非常に合理的で,完成された様式であるのも事実だ. 

今回,2曲目は私のアレンジで参加させて頂く事になった. 
選曲も任せて頂いた. 
選曲のルールについてお伺いしたが,「無い」との事だったので, 
・ふみかまろを魅せる事ができる 
・くねくね氏ではなく私が編曲する意義を示せる 
の2点で考えさせて頂いた. 

ふみかまろファンの方にも相談し,最終的に私が選曲した 
環礁宇宙/日食なつこ 
はお世辞にも有名な曲とは言えず, 
「知名度」「再生数」 
という点において他のくねともで歌われている曲と比較して大いに問題ありだ.
無論,以上の事は重々承知で,こういう選曲をした. 
くねくね氏には冗談交じりで「完全自分本位の選曲」と称されたが,まぁ,なんかそういうのも全部ひっくるめて期待されてのお誘いだと"勝手に判断して"堂々としていた. 

後で話してみたところ,くねくね氏自身は私の事を面白いと思って頂けている?ようなのでまぁ良いのだが,他のくねとも出演者の皆さんやくねともファンの方々からすれば,ぬ。は大いなる異物感があるだろうし,文句もあるだろうという事を,ひしひしと感じた.
もし万が一,私がまた呼ばれるというような事があれば,いよいよぶち壊しにしてしまうかもしれない.


こっそり

以上,凡そ自虐的に,内心を綴ってみたのだが,動画が公開されてみると
意外と褒められた.
一体どういう事なのか...
理解に苦しむ汗
やはりアカペラに,音楽に,一概に正解というものは存在しないという事なのか.
皆違って皆良い,なのか.
寝る前に聴く音楽なのかそうじゃないのか,なのか.

褒めて頂いておきながら申し訳ないが,やっぱり…アカペラヲタは感性がおかしい.
ありがたい,ありがたいとは思いつつも,私を褒めている様ではそりゃ日本アマチュアアカペラ界は駄目だろうという感情も同時に湧いた.
日本のアマチュアアカペラの次元がランクアップするには,INSPiの吉田圭介氏の様な,アカペラー離れした音楽人にアカペラをやってもらう必要があるのだ.
アマチュアで例えるならLINESにいたよーご君.
私を褒めている様な世界によーご君が入りたいと思うか?っちゅー話なんですよ結局.



等と,思いつつも............やっぱり嬉しいし助かるのも事実............
本音を言えば
"ぬ。を褒めると分かってる感出る"
って感じのこっそりとした風潮の中をこっそりと生きていきたい.
あくまで「こっそりと」というのが重要で,何故なら私は嫌われたくないからである.この事についてはまた今度.


⑥ぬ。が選ぶ聴きどころ5選 


●0:07
ハマっていない(Top,Bass高い,2nd,3rd低い)音を徐々に修正していくところ
●0:48
1つの音に聴こえるTopと2ndの長2度ハモり
●1:44
Topのリード的なフレーズの後役割を変えて抜いて3rdとの完全8度ハモりへ至る流れ
●2:40
くねくね氏お得意技,対旋律としてのリード的コーラスの一番映えてるところ
●3:16
ガッツリ入ったPerc.のスナップ


●0:53
楽譜にそうかいたのかと思って確認したら全然かいてなかったBassの半音上行開口シラブル
●1:39
音が上がった瞬間は両者抜いているため実態が存在しないかの如く感じるがすぐに地の声が混ざっていく事で個々の存在がより強調されドラマティックなリードと3rdの完全5度字ハモ(軽くキメているがこれは何気に難しい!流石!)
●2:07
コーラスが焦ってしまうところでのPerc.の溜め具合
●2:40
訳の分からないサウンドにしっかり乗っかるリード
●3:08
折り返し前と同じ進行だが終わりに向けて少し異なる粋なフレーズを奏でるBass

感想:女性達が可愛かったです.

(以上)


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